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連結パッケージ講座

連結パッケージとは何か【連結パッケージ講座01】

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連結決算の実務において、必須ともいえる「連結パッケージ」について解説します。

 

連結パッケージの役割

まずは連結決算の流れについておさらいをします。

連結決算は、企業グループ(つまり親会社と子会社)の財務諸表を連結する決算のことです。

ここでいう「連結」とは、各社の財務諸表を合算して、グループ内の収益や費用については、

それを相殺消去することを指します。

図にすると、このような感じです。

①企業グループの財務諸表を収集

連結財務諸表を作成するための材料として、子会社の財務諸表(貸借対照表、損益計算書)や注記の作成に利用する明細表(固定資産や借入金など)をまずは集めます。

②企業グループの財務諸表を合算

「連結」の名称の通り、集めた材料たるグループ全社(親会社含む)の財務諸表を合算します。

例えば、A社の売上が100万円、B社の売上が300万円だったら、合算して400万円となります。

勘定科目ごとに合算していくのが基本ですが、勘定科目の意味が同じで名称が違う場合もありますから、そのときは意味を重視して、名称が異なっても合算します。

例えば、「未払費用」と「未払経費」は意味は同じなのでどちらかの勘定科目に合わせて足します。

③企業グループの内の取引を消去

②で合算しただけの財務諸表(これを単純合算といいます)だと、グループ内で行われて取引が含まれており、正しい姿ではありません。

連結財務諸表にとっての「売上」は、グループ外部に向けた売上でなければなりません。

例えば、子会社が親会社に100億円で商品を売っていた場合、単純合算したあとに売上から100億円差し引きます。

同時に、親会社は子会社からの仕入を100億円計上していますから、仕入からも100億円を差し引きます。

④連結財務諸表の完成

③の消去が終わったら、連結財務諸表の完成です。

正確には、連結に伴う細かい調整がありますが、今回は割愛します。

連結パッケージの重要性

連結財務諸表作成の4つのステップのうち、最初のステップである「①企業グループの財務諸表を収集」によって集められた情報を使って連結財務諸表が作成されます。

ここで適切な情報を収集できていないと、適切な連結財務諸表が作成できなくなります。

すなわち、「①企業グループの財務諸表を収集」することが、連結決算の最も重要なポイントとなるのです。

 

連結パッケージの形式

連結パッケージの形式には大きく分けて3つの形式があります。

・Excelファイル、Wordファイル

ビジネスで多用されているMicrosoftのExcelもしくはWordが通常利用されるフォーマットです。

データで収集するとコピーアンドペーストが使えますので、各社の数字を集計しやすくなります。

とくにExcelファイルで集めることができると、その後の合算が非常に楽になります。

・紙資料、PDFファイル

少数ではありますが(と願いたい)、子会社が財務諸表を印刷し、それに社長または役員の押印をして紙で親会社に送付するパターンも見たことがあります。

PDFファイルも同じです。これらの場合、親会社が紙を見ながらパソコンに数字を打ってデータ化していく作業が必要になり、非常に非効率となります。

なかには、もともと紙でしか存在しない資料(監査報告書など)がありますから、ゼロにすることは難しいかもしれません。

・連結会計システムのフォーマット

これは連結会計システムを導入しているグループを利用している会社の場合です。

子会社は、連結会計システムの画面を開き、そこに財務諸表や明細表のデータを打ち込み、そのまま親会社に送信することができます。

親会社に送信されたデータは、システム内で自動合算されますので、単純合算までほぼ人手を要せずに作成できます。

働き方改革が叫ばれているいま、最も注目されている方法です。

 

連結パッケージの中身

連結パッケージの中身は各社によって様々ですが、上場企業の場合、具体的には以下の情報で構成されます。

連結パッケージ

・表紙
・損益計算書
・貸借対照表
・株主資本等変動計算書
・基本情報
・登記における関係会社に対する出資の増減
・連結財務諸表作成のための情報
・内部取引に関する情報
・キャッシュ・フロー計算書作成のための情報
・重要な会計方針及びその変更、変更による影響額等
・表示方法の変更の内容、金額等
・会計上の見積りの変更の内容、影響額など
・見て企業の会計基準等の名称、概要、影響など
・担保資産及び対応する債務
・保証債務
・期末日満期手形
・販売費および一般管理費明細
・研究開発費の金額
・減損損失に関する情報減損損失を認識した資産グループの概要、減損損失の金額等
・その他の包括利益に関する当期発生額、組換調整額、税効果額
・ファイナンスリース取引のリース資産の内容、減価償却方法
・オペレーティングリース取引の未経過リース料
・金融商品に関する事項情報
・デリバティブとヘッジ会計に関する情報
・退職給付に関する情報
・税効果に関する情報
・企業結合事業分離に関する情報
・賃貸と不動産に関する情報
・セグメント情報に関する情報
・関連当事者との取引情報
・後発事象
・社債明細
・借入金明細
・資産除去債務明細
・監査報酬に関する情報

このように多くの情報で構成されています。

子会社は、自分の会社の決算が終わり次第、親会社のためにこの連結パッケージを作成して送付しなければならず、非常に大変な思いをしているのが実情です。

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